AIにできること・できないことは?向いている業務も解説!

ChatGPTなど、生成AIが話題の今、AI導入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、AIにできること、できないこと、そして自社の業務にどのように活かせるのか、疑問に思う方もいるでしょう。 今回は、AIの基礎知識から、具体的な活用事例までをわかりやすく解説します。AI導入による業務効率化を成功させたい方は、ぜひご覧ください。


この記事は約6分で読み終わります。

AIにできること6選

AIは、現在多くの分野で活躍していますが、その中でも特に得意とする6分野を解説します。

AI活用の可能性を理解することで、今後の活用方法をより具体的にイメージできるでしょう。

分析・予測

AIは大量のデータを効率良く処理し、その中からパターンを見つけ出すことができます。この能力を活かし、リアルタイムで正確な予測をすることが可能です。

実際に、販売される商品の需要や店舗の売上予測から、株価の動向や農作物の成熟度まで、さまざまな分野でAIを活用した分析・予測が行われています。

従来よりも予測の精度が上がることから、経済や産業への貢献が期待されています。

異常検知

異常検知は、通常とは異なる動きやデータを自動で見つける技術です。この技術は、特に製造業などで役立っています。

具体的には、機械の故障を事前に検出し、不良品をチェックする際に使われます。

複数のデータを比較し、共通点や異常点を素早く見つけられるため、製品の品質を保つことができるのです。安全性の向上やコスト削減にもつながっています。

制御・実行

AIは、データを分析して機械や設備を自動的に制御することができます。例えば、下記のような場面で利用されています。

・産業用ロボット
工場の生産ラインでAIが機械を制御し、作業を効率化しています。

・自動運転車
車に搭載されたAIが周囲の状況を認識し、安全な運転を支援します。

・農業用ロボット
作物の収穫や土壌の管理をAIが自動で行い、農作業の効率を向上させています。

こうした技術は、特に人手が足りない現場で大きな助けになっています。

自然言語処理

AIは、人間の使う言葉を理解して処理することが得意です。この技術を利用した具体例には、次のようなものがあります。

・翻訳や要約
他の言語に翻訳したり、長い文章を短くまとめたりすることができます。

・チャットボット
カスタマーサポートでは、AIが質問に答える仕組みを取り入れることで、24時間対応が実現されています。

・テキストの自動生成
報告書の作成や案内文の作成など、定型的な文章を自動的に生成することができます。

このようなAIの技術は、業務効率化や時間短縮に役立つ場面が多くあります。

音声/画像認識

AIは、人間の話す言葉を一音ごとに分析し、テキストデータに変換する技術を持っています。

また、画像を解析して特徴を認識し、学習したデータから対象物を検出することも可能です。

具体的には、窓口業務の自動翻訳や会議の議事録作成、顔認証システムへの応用が進んでいます。さらに、外国語を即座に翻訳するツールや、セキュリティ向けの認証技術としても活用されています。

コンテンツ生成

AIは、文章や画像、音声などの自然言語を理解し、それをもとに新しいコンテンツを作り出すことができます。この技術は、記事や広告コピーの作成、画像や動画の制作といった分野で利用されています。

特に、人間が時間をかけて行うクリエイティブな作業を効率化し、より多くのアイデアを実現するサポートを行っています。

例えば、AIを活用することで、ブログやSNS投稿の内容を短時間で作成することが可能です。

コンテンツ作成に活用できるAIツールについては、下記の記事で紹介しています。

文章作成に使えるAIツール・サイト5選!活用シーンや注意点も解説

文章要約に使えるAIツール7選!活用シーンやポイントも紹介

ロゴ作成に使えるAIツール11選!選び方や利用時の注意点も解説

AIにできないことは?

AIには非常に多くの可能性があり、さまざまな分野で活用されています。

しかし、ゼロから新しいものを考え出すことや、コミュニケーションに深く関わるような分野では、まだその力を十分に発揮できない部分があります。下記で具体的にみていきましょう。

今までになかったものを作ること

AIは過去のデータを学習して、そこから結論や結果を導き出す仕組みで動いています。

そのため、これまで存在しなかったまったく新しいアイデアや発想を生み出すことには向いていません。

例えば、アートやデザインの分野でAIを活用する場合でも、既存の作品やデザインパターンにもとづいたアウトプットが中心となります。

「まったく新しい発明」や「ゼロからの創造」といった作業は、人間の想像力や直感が必要不可欠です。このようなプロセスは、今のAIが苦手とする部分といえるでしょう。

人の気持ちを汲み取ること

AIが処理するデータの多くは「構造化データ」と呼ばれる、規則性のある形式です。

そのため、人間の感情や文脈、空気感といった「非構造化データ」を理解することは得意ではありません。

例えば、会話のなかで相手の気持ちを察したり、場の空気を読んで適切な言葉を選んだりすることは、人間の独自のスキルです。

AIにはこのような暗黙のニュアンスや感情を理解する力が不足しており、自然なコミュニケーションにはまだ課題が残っています。

少ないデータから推論すること

AIは、大量のデータをもとに学習し、その結果から結論を導く仕組みです。しかし、学習に使用するデータが少ない場合、AIが提供するアウトプットの精度は大きく低下します。

例えば、個々のユーザーに関するデータが不足していると、その人に特化した適切な提案をすることは難しくなります。

また、人間は少ない情報から直感的に判断する能力を持っていますが、AIにはそのような「ひらめき」に相当する機能はありません。

そのため、少ないデータを活用した柔軟な推論は得意ではありません。

倫理的な判断

AIが行う判断は、そのプログラムやアルゴリズムに組み込まれた基準によって決まります。そのため、人間のように経験や感情、さらには社会的価値観を反映した柔軟な判断を行うことはできません。

例えば、AIがある行動の是非を判断する際、倫理的な観点からの検討はできません。判断基準が固定化されているため、状況に応じた対応が必要な場面では、人間による判断が欠かせません。

AIの活用に向いている業務

AIは、特定の分野で非常に高い精度と効率性を発揮します。特に、下記のような業務はAIによる自動化が適しています。

・問い合わせ対応
・人材採用における応募者のスクリーニング
・商品の在庫管理と価格設定
・商品登録
・設備の不具合検知
・工事現場での点検作業 など

これらの業務の共通点は、単純作業の繰り返しや、一定の条件に基づいた対応が必要な業務であることです。

また、情報処理における「正確性」「速度」「一貫性」が求められる点でも共通しています。

まとめ

AIは、データ分析や異常検知、自然言語処理など多岐にわたる分野で活躍し、業務効率化や品質向上に貢献します。

しかし、人間特有の直感的な判断や感情を汲み取る能力には限界があります。

AIにできること・できないを押さえた上で、実際の現場でどのように活用していくべきかを考えていきましょう。

なお、AI導入で業務効率化を実現するには、基礎的な知識を身に付けることも重要です。導入前には、体系的な従業員教育を行うことをおすすめします。

AIに関する研修ならeラーニング「SkillBridge」をご検討ください。業種や職種に合わせた、実際のプロジェクトやケーススタディを通じて実務での活用スキルを習得できます。

>>「SkillBridge」のサービス詳細はこちら