肉体的進化と脳の進化に大きな乖離がナゾ

肉体的にサルから進化した痕跡はあっても人間の脳の発達との差はあまりに大きい

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サルが進化して人間になったのは本当なのか

安田-甲野

<連載:逆説的AI論>
甲野善紀(武術研究者)×境目研究家・安田佳生 Vol.2

武術研究者・甲野氏と境目研究家・安田氏の対談は、2回目に突入。話は宇宙論まで飛び出す異次元の展開をみせながら、人間の祖先ともいわれるサルと人間の関係におよぶ。身体的特徴こそ似通っているが格段に開いた両者の知能レベル。あまりに不可思議なそのナゾについての2人の見解はピタリと一致するーー。

『人とサルの境目』

安田 運命に関して、おさらいしたいんですけど。

甲野 はい。

安田 「全部の出来事は予定表に書いてある。でも裏は全くの白紙。それが同時にある。」ってことでしたよね?

甲野 その通りです。

安田 「その通りです」って言われても、よく分からないんですけど。

甲野 全部含めてそういうシナリオだったということ。同時にそこに直に関わっている自分にとっては、まさにその言動は、その時生まれる実感がありますからね。

安田 う〜ん、難しい。

甲野 確か「不思議の国のアリス」に出てくる塀だったと思いますが。

安田 塀?

甲野 厚さ10センチくらいの塀。そこにドアがあって、ドアを開けると階段があって、階段から降りていくって、なんかそんな感じ。

安田 え?どんな感じなんですか?

甲野 一方から見たら厚さ10センチの塀なのに、ドアを開けると降りていける階段があるみたいな。

安田 厚さ10センチの塀なのに、ドアを開けると人が降りていける階段がある。

甲野氏甲野 普通に考えれば、どうみてもおかしいでしょうけれど、まあ違う次元への入り口というようなものでしょうか。

安田 現実の世の中というのは、そういう構造で出来ていると?

甲野 世の中というか、宇宙の構造がそうなっているんでしょうね。日常の中は異次元が埋まって出来ている。

安田 出来ていると。で、ひとつ甲野先生に聞きたいことがあるんですけど。

甲野 はい。

人間は本当にサルから進化したのか

安田 ダーウィンの説によると、人間はサルから進化したらしいんですが。

甲野 そう言われてますね。

安田 でも、そうじゃないって言う人もいます。人間の身体を研究している甲野さんからすると、やっぱり人間の先祖はサルなんですか?

甲野 構造的には、元はやっぱり「そういう形態」をとっていたとしか、考えられないです。

安田 そういう形態ってのは、サルってことですよね?

甲野 人間は約700万年前に「チンパンジーと共通の先祖から別れた」っていうのが、定説なんですけど。

安田 ですよね。

甲野 でも、だんだん人間になったとは、やっぱりどう見ても思えない。

安田 元はサルみたいな動物だったけど、進化して人間になったわけではない?

甲野 人間はもう、人間になる運命で、人間になるべくして、出てきた生き物であると。

安田 でも身体的にはサルなんですよね?

甲野 星間種子説が、アメリカにあるんですけど。

安田氏安田 星間種子説?

甲野 人間は地球で原始的な生物から進化するように、ちゃんと「プログラムされた種」が宇宙から撒かれているんだと 。

安田 人間の進化は、最初からプログラムされていたと?

甲野 私にとって、この説が、今のところ一番説得力がありますね。

安田 なるほど。

甲野 だから肉体的には人間は、かつての四足歩行をしていた哺乳類の特徴を色濃く残してる。

安田 肉体はサルと変わらないってことですね?

甲野 そうです。私の技もそれを前提に組み立てています。

安田 技ですか?

肉体的に四足歩行の特徴を残すことで引き出される馬鹿力

甲野 身体の潜在能力を使えば「今まで到底できるとは思っていなかったこと」が、女の人にも簡単にできるようになる。

安田 すごい力が出るとか?

甲野 要するに人間の体の構造は、まだ四足歩行の時代の構造を色濃く残しているということです 。そこに合うようにすることで、思いもかけない力を発揮する。

安田 でも、もはや覚えてないですよね。そんな頃の記憶は。

甲野 覚えていなくても、そういう能力を持っている。体の設計図が残っているから。

安田 じゃあ、肉体的には「人間は四足歩行だった」ということは、確かなんですね。

甲野 そう思います。爬虫類みたいな、もっと以前の記憶も体の中に残っているんじゃないかと。

安田 ひとつ不思議なことがあるんですけど?

甲野氏-安田氏甲野 何ですか?

安田 人類の歴史は数百万年と言われてますけど、いわゆる現代文明みたいなものはたかだか数千年ですよね。

甲野 そうですね、文明の歴史は。その上に出来た現代文明は数十年で驚異的に進展しました。

人類と他の動物の知的レベルはなぜ大きく開いたのか

安田 人類は、ある日突然、賢くなったような感じです。それ以前と同じ動物だとは、なかなか考えにくいんですよ。

甲野 そうですね。肉体的には繋がっているんでしょうけど。

安田 中身は違う?

甲野 宇宙からなにかが降ってきて、突然覚醒したのかもしれない。

安田 だんだん賢くなったわけではないと?

甲野 だんだんなったのなら、やっぱり「チンパンジーみたいになるんじゃないの」っていう気がします。

安田 知的レベルも、人間とそれ以外って、差があり過ぎませんか?

甲野 おっしゃる通り。あり過ぎますね。

安田 ですよね。チンパンジーも靴下くらい履いててくれれば、だんだん進化したんだって思えるんですけど。

甲野 どう考えても、人間だけ断絶してますね。

安田 やっぱり「突如人間になった」としか思えないですよ。

甲野 私も突如だと思います。入れ物はこうだったんだけど、そこに突如、何かが入ったんじゃないかと。

安田 やっぱり、普通に考えたら、そうなりますよね。でも、そんな話、誰も信じてくれないんですよ。

甲野氏甲野 たとえば蝶の場合も、「青虫からだんだんなった」と思っている人が、今もたくさんいるんですけど、全然そうじゃない。

安田 サナギになるってことですか?

甲野 サナギの中って、ドロドロのただの液体なんです。

安田 ドロドロの液体?

甲野 つまり蝶になるには、青虫が一度全部解体して、青虫の生命力と、その素材は使うけれども、全く違った生き物に変身する。

安田 青虫と蝶は、つながっていないと?

甲野 あれは元々、全く違う動物が契約して、ああいう生き物になってる。「前半は君で、後半は私で」みたいにな感じ。

安田 なんと!

甲野 そういうダイナミックな変換みたいなのが、実際にあるんですよ。だから人間も、ある日突然の方が私は納得がいくんです。(続く)


甲野善紀(こうのよしのり)プロフィール
東京生まれ。武術研究者。「人間にとって自然とは何か」を自分の身体を通じて実感し納得したいという切実な思いから武術を志す。1978年松聲館道場を設立。具体的な技と術理の探究を始める。その独自の研究から生み出された技や術理は、武術界のみならず、さまざまなスポーツ、楽器演奏、介護、工学、農業など多くの分野から注目される。一般的に知られている身体の使い方とは異なる練習法、指導法の実演と提案によって、日常の動作に至るまで、その技が幅広く応用されている。武術の動きを応用した身体の使い方の講座を全国各地で行う。他分野の専門家との共著や対談も数多い。2009年からは現在数学を専門とする独立研究者となって活躍中の森田真生氏と『この日の学校』を立ち上げ、受験や資格取得のためではない学問に対する本質的な関心と意欲を取り戻す講座を各地で開いている。

安田氏と甲野氏

安田佳生(やすだよしお)プロフィール
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブ設立。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、境目研究家として活動を続けながら、2014年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。

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