15Mar

ネット上で出会って結婚。昨今は、こうしたカップルも珍しくなくなっている。ある調査では、婚活中に結婚した人の4人に一人がネットによる交際相手のマッチングサービスを利用したことがあるという。年々拡大する同サービスについては、2024年の市場規模が1,037億円を超えるとの試算もある。
拡大する交際相手マッチングサービスをAIがパトロール
人を介さずに行われるマッチング。そうするとどうしても気になるのが“不正行動”だ。替え玉情報の提供やサービス以外の目的での利用(特に宗教勧誘や営業目的など)が混在してくると、気付くのも難しく、せっかくの利便性が台無しになりかねない…。
そうした中、リクルートマーケティングパートナーズ(RMP)が運営するマッチングアプリ「ゼクシィ縁結び」は、不正の“監視役”としてリクルートテクノロジーズが開発したAIを導入。最新テクノロジー活用による、健全なマッチング環境の実現を推進している。具体的には、AI(機械学習)と異常検知フィルターを組み合わせ、その行動データから不正行動を自動検知する新システムだ。
例えば、アカウント登録のフェーズ、その後の交際から退会までのフェーズなど、いくつかのフェーズで異常検知フィルターを駆使し、不正を検知。ここまででもかなりの不正除去は可能だが、ここから先がAIの出番となる。フィルターをすり抜ける不正に対し、その特徴を機械学習させ、以降の類似行動を検知。不正行動を一網打尽にする。
「一定数存在する」(RMP)という不正行動をAI監視で検知することで、“不審なユーザー”と一般ユーザーのマッチング率は減少し、出会いの健全化は着実に前進する。RMPは、導入の目的について「今回の取り組みは、一般ユーザーから『違反報告』をいただく前に可能な限り不正を運営側で検知・対応することを目標としています」としており、安心して利用できる出会いの場としての価値向上が期待される。
加えて、運営側においても、「3月の本格導入前の試験段階から違反報告件数が大幅に減少しており、その結果、『違反報告』への対応工数も紐づくかたちで減少しております」と生産性向上の効果が認められているといい、サービス全体の底上げにも貢献している。
AIが愛を育むサポートをしていると思えば、ユーザーとして同アプリへの思いも少しは変化するかもしれない。24時間365日フル稼働するAI監視。アプリを使っているだけでは気づくことがないだけに、まさに縁の下の力持ちといえそうだ。