AIが代替する仕事を転職支援のプロが予測

転職支援のプロがAI時代に消える仕事を予測した

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転職のプロが予測するAIに代替されるリスク最大の職種とは

人工知能(AI)が仕事を奪うといわれながら、外国人の受け入れを大幅緩和する日本。業種による“格差”があることも背景にあるが、それにしてもちぐはぐ感は否めない…。確実にいえることは、AIが得意な領域は遅かれ早かれ、人間が取って代わられるということだ。

転職コンサルタントが予測するAIで消える職種

エン・ジャパン(株)が、同社が運営する「ミドルの転職」( https://mid-tenshoku.com/)上で実施したアンケートは、「AIに代替される可能性が高い業務」。サイトを利用する160人の転職コンサルタントを対象に質問している。ここで上位に挙がっている仕事に従事している人は、しがみつくのもいいが、同時に転身の準備もしておいた方がいいかもしれない…。

「10年から20年以内にAIに代替されてなくなってしまう業務はあると思うか」については、76%が「ある」と回答。約8割が、ロボットによる仕事の消滅を予想している。減るのではなく、「なくなる」という質問からすれば、なかなか衝撃的な数字だろう。

AI時代にはAIと共生できるスキルが重要になる気になる消滅可能性予測のトップはなんだったのか。1位は、「一般事務」(35%)、2位が「経理」(32%)、3位が「コールセンター」(30%)とトップ3が僅差で並んだ。要するにルーティンワークは、人工知能に取って代わられる、ということだ。規則性のある作業なら、ロボットが速く、しかも24時間稼働が可能。すでに現時点でもすぐにスイッチ可能であり、当然といえば当然の結果といえる。

より具体的な職種としては、SE、PG、弁護士、弁理士、店長、生産管理、Webサイト運営、医師、看護師なども挙がっている。一見すると意外に思える職種も挙がっているが、データとして事例が豊富にあれば、課題の種類に対する紐付けの組み合わせが増えるため、人工知能にとっては学習しやすく、代替も時間の問題といえるのだろう。

転職コンサルタントが予測するAIに負けない職種

では、どんな職種ならAIに取って代わられないのか。1位は断トツで「経営者」(81%)。さすがに経営判断はビッグデータの解析等だけでできる単純なものでない、ということなのだろう。2位は経営企画で54%、3位は営業系で43%だった。もっとも、この3つも、AIで代替は可能ではある。ただし、本当にそれでいいのか、という人間としての矜持も含めての結果と考えたほうがよさそうだ。

業務としてはどんなものがAIに代替されないかも聞いている。上位に挙がっているのは「相手の意図を汲み取り、臨機応変に対応する必要がある業務」(67%)、「新たな事業やサービスを企画する業務」(65%)、他社とコミュニケーションをとりながら進める業務(56%)などとなっている。納得できる反面、例えばレコメンデーションの精緻さをみても、人間以上と思える側面もあり、加えて、人間だからといって必ずしも、万全でない人が多いタイプの業務ともいえ、微妙ではある。

具体的には、プロジェクトマネージャー、デザイナー、施工管理、CTO、CIOなどが挙がっている。もっとも、「取って代わられる」の質問で上位だった職種も入っており、人工知能がどこまで人間の仕事を侵食するのか、まだまだ未知数といえそうだ。

囲碁で人工知能がプロに勝ったことが話題になったのは、予想以上のスピードでAIが進化を遂げたから。それを考えれば、もはや脅威と思うことに大きな意味はないのかもしれない。それよりも、そうした動きに振り回されず、いかに人間として創造的なことに頭脳を使うか、そして使える頭に磨き上げるかに注力する。そのことが、AI時代を生きる人間としての課題といえるのかもしれない。

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