AIで進化するマッサージチェア

マッサージチェアにAIが搭載されるともみ心地は変わるのか

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マッサージチェアにAIを搭載するともみ具合はどう進化するのか

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【これもAI? AIマッサージ】
肌のぬくもりを感じることで一層ありがたみを感じることがある。手作りのお弁当や手縫いのセーターはたとえ見栄えが良くなくともうれしいものだ。マッサージもその類と思っていたが、なにやらAIを駆使したマッサージ器が登場したという。

AIが進化させるマッサージチェアのもみ心地

フジ医療器のサイバーリラックスだ。2019年1月に発売された同マシン。創業から65年の歴史で培った英知をAIと融合させ、最高クラスのマッサージチェアに仕上げたそうだ。

AI搭載マッサージチェア具体的にAI活用でなにをしているのか。ひとつは体形のセンシング。背筋のラインと肩の位置を自動検知し、もみのポイントを正確に見極める。力加減も自動で調節する。これにより、難易度の高いこねるような動きを滑らかに修正する。要するに、百人百様の姿勢や体形をAIが瞬時に学習し、それに合わせた最適なもみ動作を実現するワケだ。

AIが担うのはほぼこの2つ。独自機能として深層アプローチ技なるものも搭載されているようだが、明らかに「深層学習」にひっかけただけで、別段新しいワケではない。その他、音声ガイド機能など非常に多機能で次世代感を印象づけるかのように盛りだくさんだが、「AIマッサージ」といえるのは前述の2つの部分だけになる。

「目指すのは一人一人に寄り添う癒しのパートナー」ということなので、マッサージチェアで重要な要素となる姿勢や体形をAIに学習させるというのはアプローチとして間違ってはいないだろう。もっとも、すでに十分に成熟した感のあるマッサージチェアが、AIによって劇的に心地よさをアップすることは残念ながらないだろう。

いまや、なんでもかんでもAIというほどその潮流はうねりをあげている。まずはトレンドに乗り、なにかにAIを応用してみよう。それは大いに結構だ。そうした試行錯誤の先に、本当にAIを活用すべきポイントが浮き上がってくるからだ。

このAIマッサージチェアも各所にセンサーを付けることで、例えばその日の気候や体調に合わせた最適なマッサージということが可能になるだろう。こうしたことは、一見、「すごい」と思わされる。だが、実際の効果は微々たるもの。その意味では、この製品が必要最小限のAI活用にとどめているのは、真剣にマッサージ器としての快適さにこだわっている証といえるのかもしれない。

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