27Dec

韓国の人工知能専門企業・SELVAS AI(ソウル)が人工知能疾病予測ソリューション「Selvy Chekup」の最新版(Ver.2)の日本での提供を2018年11月20日より開始した。健康診断の情報を入力するだけで癌など主要10疾病の発生確率を予測。適切な健康管理アドバイスを作成する。
10疾病の4年以内の発症確率予測するAIソリューションの実力
同サービスでは、AIが6大がんや脳心血管疾患、糖尿病などの10疾病の4年以内の発症確率を予測。その精度は、統計分析法と比較して平均10%以上高い。入力データは、BMI、血圧、コレステロール値、問診情報など計20項目。健診直後に重病発症などの事例も珍しくないが、同サービスはその補完として頼りになりそうだ。
予測は独自の複雑なアルゴリズムのもと、医療ビッグデータの特性を機械学習・欠損値補正等のディープラーニングを組み合わせて解析。総合的に診断する。コアテクノロジーであるAIには健診データに加え、診療データ双方を学習させ、実際の健診データをさらに蓄積、フィードバックすることで高い精度をキープしている。韓国有数の総合病院・延世大学新村セブランス病院と連携することで新鮮なデータの入手が可能な点も精度の維持につながっている。
無限のポテンシャルで新たな市場切り拓く可能性
サービスの提供は、内部構築型、Web APIの提供、SaaSのサービスアカウント提供など、ニーズに合わせて多様な形で行うことが可能。同社では「10大疾病の発症確率や分析結果は、さまざまな分野での活用が見込まれる。保険会社およびヘルスケアサービス業界などでは、スマートテクノロジーを活用した新規商品や、より詳細なオーダーメイド型サービスに高度化させることも可能。特に企業および健康保険組合に向けては大人数の健康管理が可能となる管理者機能を提供するが、この管理者機能により、全国の社員や組合員の健康管理サービスとして活用いただくことが可能となる」と提案する。
超高齢社会は医療費増大というネガティブ要素もあるが、ポジティブに捉えれば、そこには大きな未開拓市場が横たわっている。医療分野でのAI活用は進んでいるが、予防段階にはまだまだ可能性が広がっている。AIをビジネスにつなげるアプローチにはいろいろなパターンがあるが、精度が上がることで生まれる商機というのは、ジャンルを問わず抑えておくべきポイントといえるかもしれない。
同サービスはその特性上、ヘルスケアサービス業界が主要ターゲットといえそうだが、今後、信用経済が浸透してくれば、信頼スコアにも盛り込まれそうな要素であり、そのすそ野はさらに広がる可能性がある。雇用は、70歳までが標準となる方向で着々と進んでおり、シニア採用における一つの指標にもなり得るだろう。今後ますます人の価値が高まることを踏まえれば、同サービスと紐づくサービスは多岐に渡るハズだ。