市販のネットワークカメラとPCのみのシンプルな設備で、AIソリューションを実現

画像解析とAIの活用で対象物を、人目に代わってリアルタイムに検出する

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AI活用で生産ラインの生産性向上や最適化などの改善をサポート

<ウチのAIここがウリ>Vol.10

NECソリューションイノベータが提供する「NEC AI・画像活用見える化サービス」は、画像解析とAIの活用により対象物がどこにどれだけあるのかを、人の目に代わってリアルタイムに検出、判別、カウントできるサービス。そのラインナップの1つ「NEC AI・画像活用見える化サービス/生産管理・検査支援」では、AIを活用することで生産ラインの生産性向上や最適化などの改善活動をサポート。市販のネットワークカメラとPCのみのシンプルな設備で、良品や不良品などを分類した見える化を実現する。

NECソリューションイノベータ 「NEC AI・画像活用見える化サービス」

一般に、AI導入の障壁となるのが、決して安くない初期投資に加え、やってみなければ効果が分からないという側面だ。ましてや、同社がターゲットにする業種は、潜在ニーズこそあれ、その規模感やAI導入へのスタンスが必ずしも積極的とはいえない。なぜあえて、そうした領域に踏み込むのか。

「このサービスはもともと熟練技術者のスキルに依存してきた食品や水産加工の生産現場を可視化して、技術者不在でも進捗管理等ができるようにすることから、開発がスタートしています。地方の食品加工などの生産ラインでは、どのくらいの量をどのくらいの時間で処理するのかを厳密に把握せずに回していました。それを画像解析とAIで可視化し、検査業務や数量計測業務に活かすことで生産性の向上を支援できると考えています」と同社エキスパートの佐藤精基氏は明かす。

AI導入というと、革新的な機能で劇的に業務を改善するイメージがある。だが、それ以前にAI導入によって、現場に変革のヒントを与える。そうした取り組みが必要となることが、AI導入のプロセスで自ずとみえてくる。実は、こうした気付きこそがAI導入に伴う大きな“成果”ともいえる。

生産管理を厳格にしながら、生産品質向上に向けた現場改善の支援

その上で、同サービスは現場に何をもたらすのか。そこに目を向けると、地味ながらもしっかりと現場支援に注力していることが分かる。大きな目的は、熟練技術者のスキルやノウハウをAI化することによる、品質基準の統一や業務効率の向上支援だ。同サービスでは、AIによる良品や不良品などの自動判定で、その実現をサポート。生産管理を厳格にしながら、生産品質向上に向けた現場改善の支援も行う。

また、進捗状況や不良品のデータはクラウドで共有される。そのため、生産ラインから離れた現場からでも状況をリアルタイムに把握でき、本部等にいる生産管理担当者などによる、より効果的な現場改善にもつなげることができる。ここまででも、技術者のスキルに依存した生産現場がAIを絡めた“デジタル管理”にシフトすることで一転、ムダのない、高品質な生産ラインへ進化することが想像できるだろう。

といっても必要となる主設備は、市販のネットワークカメラとPCのみ。従って、生産ラインなどの既存設備に変更を加えることなくそのまま活用でき、費用面(導入準備費=40万円~、HW費用=40万円~、利用料19.8万円~/月)も含め、負担は最小限に抑えられる。さらに導入前の効果測定のためのお試し利用メニュー(利用料は1週間9.8万円)も用意されており、企業の規模によらず踏み出しやすい配慮が随所にちりばめられている。

時代はAI。とにかくAIを導入しなければ置いていかれる…。そんなムードもあるが、それよりもむしろ、AI導入を起点に新しい時代に適応した現場に再構築する。そうした観点でAI導入と向き合うことが、結果的に現場の奥深くにこびりつく課題の洗い出しにつながり、抜本的な改善策のひねり出しに有効となる。同社の取り組みからは、無条件のAI礼賛主義とは一線を画す、正しいAI導入のスタンスがにじみ出ている。

 

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