11Jul

<ウチのAIここがウリ>Vol.7
方正は、新聞や出版などメディア産業向けの総合ITソリューションプロバイダーだ。クラウドサービスや受託システム開発、ソフトウェア・プロダクト販売など様々な事業を手掛け、昨今は、中国のグループ会社との連携でビッグデータやAI、IoT領域もカバーする。
総合ITソリューションプロバイダー 方正
1996年に北京大学方正集団の日本マーケット開拓を担い設立された同社は、着々と基盤を固め、大手新聞社・通信社の新聞製作にかかわる業務システム分野ではトップシェアを確保。日本市場でも確固たる基盤を構築し、そうした知見を活かして新たなサービス開発も積極展開している。
AI領域は、音声認識、画像認識、動画認識、言語解析とマルチにカバー。これは、AI分野で先端を行く中国との太いパイプがあるからに他ならない。「国家レベルでAIの研究開発を行う中国にあって、関連会社は工学系のトップランクの大学の優秀人材を豊富にそろえ、研究開発も旺盛に行っており、最先端のAI技術を提供できる体制にある」と同社はその強みを説明する。
一例をあげれば、中国高速鉄道網の故障予測プラットフォームの構築がある。何百キロにもおよぶ鉄道網をIoTやテキストマイニング、機械学習を組み合わせることで可視化。定期点検の時間短縮を実現している。人口約1000万人の新興大都市・武漢市では、急発展の陰で発生するトラブルや苦情の分析プラットフォームを構築。まさに国家レベルの研究開発での実績を積み上げている。
「AI領域においては自社開発のサービスでなく、その時の時流にのり、業種にとらわれることなくゼロベースから製品/サービスつくりをサポートできるが当社の強み」と同社。AI研究で日本の先を行く中国の最先端の知見をベースにしたその実績と体制は強固で、腰を据えてAI導入を検討する企業にとっては頼もしいばかりだ。
AI先進国中国の知見ベースに関連サービスを開発
こうした知見を応用し、国内においても印刷・出版社向けに画像認識やAI-OCRによる作業効率化、新聞・通信社向けにコンテンツの不正使用監視サービスなどの開発および導入事例がある。
数多あるAIサービスの中から、どこの何を選ぶのかは、ある程度のAIリテラシーがなければ難しい。ベンダー頼みでは、目的にもコスト的にもピント外れな提案を押しつけられる可能性もある。ましてや技術力の見極めとなればそのハードルは一層上がる。
同社のAIポテンシャルの高さが何に起因するのか。そこに着目すれば、AI導入へ向けたパートナー選びにおいて、適切な判断材料を探すヒントが見えてくるハズだ。(続く)