失敗を回避するために知っておくべきAIの特徴

AIプロジェクトが失敗しがちな構造的問題とは

menu

×AI

連載:AI脳の創り方

Vol.7

ビジネスパーソンのための戦略的AI活用のキモ

つまずきやすく対策が限定的なAIプロジェクトとの向き合い方

AIプロジェクト頓挫

やってみなければ分からないAIプロジェクト。やっかいなのは、そうなったときに取れる対策が、実はそれほど多くないことです。データ量を増やすか、データの品質を上げるか、あるいは全く新しくデータを集めるか…大体はそのいずれかです。

データがネックになることが生む悪循環

いずれの方法でも、データの整備を行うというのは非常に時間もコストもかかる作業です。そもそも、その手間をかけられないからスモールスタートで始めたというようなプロジェクトの場合、この時点で袋小路にはまってしまいます。

また、データ分析をして上手くいかない原因を明らかにすることで次のステップへと進めようとすることもありますが、残念ながらこれも上手くいくことは少ないのが実状です。

そもそも、データ分析でAIの精度向上の要因がわかるのならはじめからそうしています。分析をしてわかるのは、せいぜいどこに品質上の問題があるのかということくらいで、結局はそこに問題のないデータを集めましょうという結論にしかなりません。

むしろ、データから様々な業務上の課題や知見に気づいてしまったことで、プロジェクト自体がAIとは関係ないデータ分析にいつの間にかなってしまったということも少なくありません。いずれにせよ、その先の予算が出てこなくて先延ばしという名の中止に追い込まれるプロジェクトが大半となります。

AIプロジェクトの失敗を回避するために重要なスタンス

こうしたことを避けるにはどうしたらいいのでしょうか。そのためには、しっかりとした目的意識とともにAI導入時にはこうした試行錯誤が必ず発生することを認識しておくことが大切です。

また、外部に依頼したとしても社内データを扱うことになる以上、一定量の社内リソースが必要になるため、それを見越した予算枠やリソースが必要なことを理解しておかなければなりません。

AI導入プロジェクトの成否はAIに対する技術的な知識以上に、こうした導入時の試行錯誤を想定した実行計画の立て方や、必要なリソースを確保しておくための様々な調整能力にかかっているとも言えるでしょう。こうした視点が欠けている人がまだまだ多いのが、AI導入プロジェクトにおける実状です。(続く

PROFILE

小泉 敬寛

株式会社 TMJ 事業変革本部 コンサルティング部 Data Science推進室

小泉 敬寛(こいずみ たかひろ)

2008年より京都大学 工学研究科 助教としてウェアラブルメディア、コミュニケーションに関する研究を行う。2016年より株式会社TMJに入社。現職では統計処理や機械学習などの新技術に関する調査、研究・開発を担当。AIをはじめとする新規技術を使ったサービスやソリューションの提案やコンサルティングに取り組んでいる。

関連記事