5Apr

AIリテラシー必須の時代へ。ディープラーニング・画像・音声認識などの最先端が集う人工知能の専門展「第3回AI・人工知能EXPO」(2019年4月3日〜5日)が都内で開催された。
日本最大のAI展示会に見られた変化
急速に浸透するAIの日本最大の展示会。3回目となった今回は、東京五輪で使用に制限がかかることから仮設で建てられた青海展示棟での“単独開催”となった。出展企業は、前回の1.5倍の250社。AI時代にふさわしい最先端のプロダクツ/サービスが揃った。
第一回、二回目は雑多な印象も濃かったが、今回は展示内容が進化。事例を交えた展示が目立ち、実際の導入イメージがしやすくなった。その活用シーンも多岐に渡り、業務効率化のレベルから交通違反の検挙などの社会課題解決といったAIの本領発揮といえるものまでがズラリ並んだ。
そうした中、鮮明になったのがAIリテラシーの重要性だ。AI浸透の課題として、AIの理解力があったが、こうした側面を先回りして、誰でも使えるレベルにまで汎用化したAI開発プラットフォームが登場。データ処理やディープラーニング、プログラミングまで簡単な操作でできるサービスも出始めている。
例えば、グリッドが提供する「ReNom リノーム」は、データ解析やAIモデルの開発を非エンジニアでも簡単に作製可能なAI開発プラットフォーム。しかも、これまでならエンジニアが手掛けて3か月はかかっていた画像認識モデルの開発を、非エンジニアがタグ付けからモデル評価まででも1週間程度でできてしまうというシロモノだ。
より使いやすさにこだわったサービス目立つ
これまでは、成果が分からない、高額などがAI導入のネックとなっていたが、これだけ簡単にモデル開発が可能になると、「まずやってみる」が標準となるだろう。そうなると、AIの特徴やポテンシャルを理解する“AIリテラシー”が重要になってくる。インターネット黎明期にITの概念を理解している門外漢や非エンジニアが次々と斬新なサービスを生み出していったのに似た状況だ。
こうした潮流を見透かすように、AI人材育成を打ち出すブースも目立った。政府がAI人材の25万人育成を打ち出していることもあり、各社とも鼻息が荒く、法人向けで強気の価格設定のカリキュラムを提示していた。
ようやく黎明期を抜け出そうなフェーズにあるAIビジネス。今回のAI・人工知能EXPOでは、ビジネスレベルにおける導入へ向けた“土台固め”が着々と進んでいることが鮮明となった。その進化の速度はインターネット時代より確実に早い。だからこそ、AIリテラシーをしっかり磨き「まずやってみる」の姿勢でなければ、せっかくの恩恵を取りこぼしかねない…。