27Jan

「アナタヲブチョウニバッテキシマス」。社会全体にAIが急速に浸透し始める中、ついに実用レベルのAI人事評価ツールが登場した。高速、低コスト、高精度、ノーバイアスで、人事評価プロセスの各難題をクリアする同ツールは、不透明な人事評価に革新をもたらし、採用や社内人材最適化に大きく貢献する可能性を秘めている。
実用レベルのAI人事評価ツールが登場
注目のツール「マシンアセスメント・フォー・コンピテンシー・デベロップメント」は、テクノロジーとサイエンスを活用し、新たな人材マネジメントソリューションを開発する(株)ヒトラボジェイピー(本社: 東京都目黒区、代表取締役社長:永田稔)がリリース。AIを活用し、高速・高精度に社員のコンピテンシー・アセスメントを実施することで、効率的かつ戦略的な人事をサポートする。
ハイパフォーマーの行動特性として、昨今の人事周辺では注目されるコンピテンシー。従来は、人材評価の専門家がインタビュー形式などで成果事例や行動事実をヒアリングし評価。信頼性こそ高かったが、多くの時間を要し非効率で高コストなのがネックだった。同ツールでは、専門家によるアセスメントノウハウおよび30以上のコンピテンシーを教師データとしてAIに学ばせることで評価の高速化を実現。バイアスがなく、公正、高精度な人材特性の見極めを可能にした。
具体な実施フローは、次の通り。まず対象人材に成果をあげたプロセスや行動を1000字~2000字のテキストに記述してもらう。これをマシンアセスメントが機械学習と自然言語解析で処理。どのコンピテンシーの発揮度合いが高く、どれくらいのコンピテンシーを有しているのかを抽出/判別する。50人程度なら4日から5日で納品可能といい、人間の10分の1のスピードだ。コストも同等の割合で抑えることが可能という。
バイアスゼロのドライな人事評価で思わぬ人材発掘も
「例えば、専門家による従来型の方法で、対象者一人にインタビュー型アセスメントを行う場合、大手人事コンサル ティング会社で、実施からレポート納品まで約 10 日、費用は 30−40 万円程度かかります。一方、『マシンアセスメント』では、テキストを受け取ってから納品まで最速で 1 日、費用は4万円で のアセスメントサービスの提供が可能となっています」(同社)。
同ツールで計測できるコンピテンシーは、情報収集行動、創造性、自律行動、伝達行動、ダイバーシティ対応、柔軟性、自己管理、論理思考など30種以上で、同社の人手によるアセスメントとの比較検証では、抽出精度は90%から95%という。単純に社員の評価はもちろん、管理職候補の評価の他、リーダー発掘やエントリーシートからのハイパフォーマー抽出も可能で、人事評価における応用範囲は幅広い。
労働人口の減少が深刻化する中で、優秀人材の確保はますます困難になっている。それだけに人事領域での人材見極めの重要性は増している。一方で、じっくり時間をかけても期待外れだったり、早期に離職されるという課題もある。バイアスに影響されず、高速で高精度、しかも低コスト。すでに有効活用している企業もあるように、もはや人事評価にAIが活用されるのは、時代の趨勢といえるだろう。
ちょっと待った、それは非情だ、アンフェアだ。もしもそんな不平や疑念が頭をよぎるなら、まずはAIへのバイアス排除とゴマすり体質を改めるのが得策かもしれない…。